シュタイナー学校を辞めていく子どもたち(1)

 

こんにちは。
石川華代です。

 

小学校5、6年生、
そして学年的な切り替わりの8年生の終わりなどで、

シュタイナー学校を辞めていく子どもたちがいます。

 

 

実は、その多くが、
男の子です。

 

 

そのくらいの年齢になると、
外の世界にも目が行き始めて、

他の学校に行っている友達と、
自分たちがシュタイナー学校でやっていることが、
かなり違っていることが気になり始めます。

 

 

シュタイナー学校の子どもたちが、

 

お遊戯みたいに体を動かしたり、
エポックノートに、
色鉛筆で絵を描いていたり、
工芸や手仕事をしていたりするのが、

子どもっぽく見えます。

 

 

かたや一般の学校では、
難しそうな教科書を持って、
ノートにペンで問題を解いたりしている。

 

もちろん、色鉛筆なんかではなく、
カラーペンで、印をつける程度で、
絵なんかノートに描きません。

(落書きは除く 笑)

 

 

なんかそう言うのが
大人っぽく見えるんですね。

 

 

わけのわからないオイリュトミーもしていない。

オイリュトミーはとても大切なのですが、
彼らにとっては「わけのわからない」ものであること多く・・・。涙

 

 

彼らには、
シュタイナー学校でやっていることが、

「勉強っぽくない」
「格好悪い」
「子どもっぽい」

ように見え、

簡単すぎるように思えてしまう。

 

他の学校の子どもたちのように、
テストのために一生懸命演習したりしている方が、
すごく「勉強」しているように見える。

 

なんだか自分が
同年代の他の子達から
取り残されているようにも感じてしまう。

公立の子達の方が大人びていて、
ずっと難しそうなことをしているように見える。

 

公立ではコンピュータを使ったり、
最先端のロボット工学を勉強したりしている時に、
シュタイナー学校では、
蒸気機関についての実験をやっていたりする。

もちろんそれには大事な意味があるわけですが、

最先端のことをやっている方が、
格好良く見える。

 

自分ももっと「大人っぽいことをしたい」と思うし、
「もっと成長したい」と思うのです。

 

成長って何なのか? ってことは、
もちろんわからないまま。

 

 

その気持ちが募って、
他の学校へ転校する。

 

 

転校後、
もちろん反応はその子によって違うのですが、

「シュタイナー学校の外に出てみたら、
勉強はもっと簡単だった。」

「勉強がつまらなくなった」

 

と言って、
シュタイナー学校に戻ってくる子が、
かなりの確率でいます。

 

シュタイナー学校の外に出たら、
テストも宿題もいっぱい。

逆に大変になるかと思いきや、

「簡単」だと。

 

 

どう言うことか想像できるでしょうか。

 

 

シュタイナー学校では、
自分が「創造」しなければいけない学びが多いです。

 

創造するために、
生半可な理解では作品は作り出せないし、

言われたことをやっているだけでは、
課題はこなせません。

 

テストで評価されると、
言われたことを理解し、
課題の範囲を頭に入れておけば点が取れる。

 

つまり、言われた通りに、
最高で100%やっておけば良くて、
それ以上やる必要はない。

課題のために150%の力を出しても、
テストの点には現れないし、
誰も評価もしてくれない。

 

 

シュタイナー学校のように、
創造するとなると、
どこまででも自分を試すことができます。

 

それは、ある意味、
自分との戦いでもあります。

 

先生基準のテストではなく、
どこまでやるかは自分次第。

 

だから、人に認めてもらうため、
人に言われたことをやっていればいい、
と言うのではなくて、

自分基準でどこまでいけるか。

 

 

やる子は、大学の先生さえも唸らせるような作品を仕上げる。

 

 

自分基準って、
厳しいのです。

 

そして、
やりがいがあって、

学んでいる実感があって、

実感だけでなく、本当に学んでいる。

 

 

 

シュタイナー学校を辞める前は、
青々と美しく見えていた、
他校の青い芝生が、
そこに行ってみたら、
全然青くなかった。

 

 

 

そして、
辞めてしまう子どもたちの、
別の辞める理由もあるんですね。

 

そのことは家庭教育にも反映できると思うので、
別の記事で改めて書きたいと思います。

 

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自立した子どもを育てるには・・・?

 

 

こんにちは。
石川華代です。

今日は私の子育て話でも。

 

私には、二人の息子がいます。
13歳と14歳。

 

朝、目覚まし時計がなって数秒で、
起き上がり、
バタバタとバスルームへ行き、
シャワーを浴びます。

そして、キッチンへ行き、
朝ごはんを用意して、
食べて、

後片付けは、
するときと、しないときとありますが・・・苦笑

 

学校の準備をして、
出かけていきます。

 

 

1年前までは、
起こさなければ起きなかったのに。

 

 

ランチも自分で作るし、

週1回ずつ、
必ず晩御飯を作ります。

 

自分の洗濯物は自分でします。

 

 

私、相当、怠け者ママですね。笑

 

 

そういう話をすると、
羨ましがられるし、
どうしたらそういう子が育つのか聞かれます。

 

なので、ちょっとここでその話を。

 

まず、幼児期。

 

身の回りのこととか、
まだ自分ではできません。

 

だからと言って「お世話」しない。

 

掃除の仕方も一から教え、
一緒にやります。

料理も、小さい頃から。

包丁の持ち方とか、
危険な道具も使い方をちゃんと教える。

 

大変です。

自分でやっちゃった方が楽です。

 

そこを我慢して、

将来、自分でできるようになって、
自立できるように。

そして、将来、
母親が楽できるように!!!(←これ大事)

 

母親は「お世話係」ではありません。
母親は「育てる人」です。

 

お世話してしまっては、
子供は育ちません。

 

だから、幼児期、小学校と、
まだまだ覚えることがいっぱいのうちは、

 

母は大変だけど、
よく子どもを見て、

一緒にやる。

 

子どもの様子をよく見て、
子どもを信頼して子どもに任せる。

 

そして、
徐々に子どもに任せることを増やしていきます。

 

 

怠け者ママバンザイ!
だけど、
怠けるところを間違えるととんでもないことになります。

 

例えば、

ママは大変。
ちょっと楽したい。
だから、こどもにテレビやゲーム与えておいて、
ちょっと静かにしていてもらおう。

 

これは、その時は楽できても、
ママが、後々怠けられなくなります。

 

ママは休むなって言っている訳じゃありません。
ママにも休養は大事。
ママも自分の時間はとって欲しい。

でも、どうやって自分が楽するか・・・
うまく工夫して欲しい・・・と思うのです。

そのためにもパパにもできるだけ協力して欲しい。

 

10歳になる前くらいに、
しっかりと身の回りのこと、
自分のことを自分でできるようにしておく。

 

思春期になった頃には、
もう、自分のことは自分でできるようになっている。

 

ただ、思春期なので、
できるけどやりません。笑

 

そこで、
「やりなさい!」
とうるさく言うのも面倒だからと、
母は、つい手を出してしまう。

・・・なんてこともしない。

 

しつこいですが、
母は「お世話係」ではありません。
母は「育てる人」です。

 

こどもに必要とされることって、
母親として嬉しいですか?

 

ちょっと素っ気なくなった思春期の子どもたちに、
あれやって、これやってーと、
ちょっと甘えた声でお願いされたら、
嬉々としてやってしまったりしていませんか?

 

 

でも、

こどもに必要とされなくなったら、
母親として、いい仕事をしたのだと思います。

こどもに何もしてあげなくても、
かけがえない母親であることは、
変わりありません。

 

先日の記事でも書きましたよね。
条件なしで認めることについて。

 

「気配りができるいい母」
とか
「きちんとお世話ができるいい母」
と言うように、

「気配りができて」「お世話ができる」とか言う
「条件つき」でなくたって、
母は、大事な、
たった一人の母。

存在しているだけで、価値のある存在。

それが、母親、父親です。

 

そう、自分を認めてあげてくださいね。

 

そう自分で自分を認められたら、

こどもに必要とされなくなった時も、
寂しくないはず。

 

 

思春期になった頃、
子どもが自立していく準備をするとともに、

母も子どもを手放す準備が必要。

 

だからこそ、
母が自分自身の生きがいを持つ。

子どもを生きがいにせず。

 

子育ては、
自分を育てること。

 

子どもと一緒に、
私たち親も育つチャンスです。

 

さてさて、
私は今日も怠け者ママ。笑

 

 

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