子安美知子先生が7月2日に天に召されました。みなさんもご存知の通り、シュタイナー教育を日本に紹介した第一人者でした。
私が「ミュンヘンの中学生」を読んで、シュタイナー教育と衝撃的な出会いをしたのと同じように、たくさんの仲間、友人が、子安先生の著書からシュタイナー教育に出会いました。
子安先生がいなかったら、私はシュタイナー教育の道に歩んでいなかったかもしれない。いや、歩んではいたでしょうが、きっと、その道は違うものになっていたでしょうし、確実に、日本のシュタイナー教育のあり方は今と違っていたと思います。
人の命は永遠ではありません。
ここ数年、シュタイナー教育の先駆者的存在であった先生方が、何人も亡くなっています。その度に深く悲しみ、損失の大きさに打撃を受けます。
悲しいけれど、人の命は永遠ではないということ、高齢の方はもちろんですが、若い方でも、生と死のはざまを毎日生きていて、明日の命だって保証はないのだということ・・・。もう一度胸に刻んで日々丁寧に大切なことをやっていこうと思います。
そして、子安先生のように経験と英知のある方からもっと学んでおきたかった、もっとこれからも学びたかった・・・という思いを感じながら、強く思うこと2つ。
学びたかったら、何かをしたかったら、今すること。
私は若いころから、「明日死んでもいい」と思いながら生きてきています。それは、決してネガティブなものではありません。明日死んでも後悔しないだけ、今日まで思う存分生きてきているという思いがあるのです。もちろん、やりたいことはまだまだあります。でも、今までの人生は十分後悔しないだけやってきた。その思いは強くあるのです。・・・20台のころからそうやって生きてきています。
だけど、子安先生と仕事をすることは、ずっと願っていながらも、叶わずに終わってしまった。心に深い悲しみを感じながら、「何かをしたかったら、今すること。先延ばししない。」ともう一度心に刻んでいます。
そして、もうひとつ。
シュタイナー教育を続けていくために、私たちの世代がしっかりと引き継ぎ、もっと学んで自分を高め、そして、後継者を育てていく活動をすること。
どの国でも、シュタイナー学校の後継者不足が問題になっています。ドイツでもです。
自分たちが学んで満足するだけではなく、社会全体を育てていけるように、後輩たちを育てていく。仲間を増やしていく。そんな活動をおろそかにはできません。
子安先生。ご冥福をお祈りします。
シュタイナー教育を伝えてくださった功績に、深く深く、心から感謝しつつ。
子安美知子さん、鳥山敏子さん、西川隆範さん、竹内敏晴さん、直接に、間接的に、人智学、シュタイナー教育の学びを与えてくださった方々が亡くなっていき、時代の変化を感じます。
今は、残してくださったもの、受け取ったものを見返していく時のように感じています。
ubeさん
本当に・・・。
若いけれど岡田有子さんも亡くなってしまいましたし・・・。
私たちが責任をもって、次世代を作り上げていかなくては、と、改めて気を引き締めています。