こんな風刺画があります。
数年前にフェイスブックで回ってきたから、見た人もいるのではないかしら。
こどもの教育についてはもちろんのこと。
で、私は大人についても思うのです。大人だって、得意な仕事と苦手な仕事があります。
自分で選んだ仕事だって、いつも得意なことばかりしていられないでしょう。
適材適所という言葉がありますが、どんな人にでも、自分の能力を生かせる場所があると、私は信じています。
それを見つけるのは簡単ではないです。
でも、自分を生かす場所は絶対ある。それを見つけて欲しい。そのためには、自分には力があるのだということを信じて欲しい。
上の風刺画で、象も魚もこの試験に合格できないでしょう。でも、試験に不合格になった象のような人にも、「自分はダメなやつだ」と思わないで欲しい。「力仕事なら負けないぞ」というような何かが自分にあることを見つけて、「自分には自分らしい力の発揮し方がある」と信じて欲しい。
他者の評価で自分を判断するのではなく。
イギリスのラスカンミルカレッジ(アントロ系のカレッジ、障害や問題をかかえる青年たちが農業や芸術工芸を通して学ぶ教育機関)で、バイオダイナミックの魚の養殖場で働いていた障がいをもつ青年の言葉を紹介します。
僕の仕事は、何千という稚魚がいるこの水槽の掃除をすることなんだ。水が汚れていると稚魚は健康に育たない。スポイトでひとつひとつ汚れを取り除く作業をすることで、稚魚の生育を妨害することなく、稚魚の環境をよりよいものにすることができる。機械ではいい仕事はできないんだよ。手でするのが一番効果的なんだ。僕は、毎朝2時間かけて水をきれいにする。気持ちが落ち着くし、僕の治療にもなる。この仕事が大好きだよ。何より僕はこの仕事を誰より(障がいのないひとより)上手にすることができる。
彼はすごい仕事をしていると思いませんか。
大事なことは、人を環境に無理やり合わせようとするのではなく、その人にぴったりの仕事を見つけること。
だれにだって力がある。
障がいある無しに関わらず、どの人にだってあてはまります。そう、これを読んでいるあなただって、自分を生かせる仕事がどこかにある。それを見つけて生き生きと自分を生かしているひともいるでしょうし、まだ見つけてないひともいるでしょう。でも、かならずあなたには力がある。
そして・・・、子どもを教える大人として、子どもが自分の力を信じられるような自己肯定感を育てられるような教育を、心から望み、それを目指します。
象が木に登れず試験に不合格になって「自分はダメなやつだ」と思い込んじゃう。そんな現象が人間の世界にないように。